インコタームズとは何か?国際貿易における取引条件について


国際輸送において、適切な取引条件を明確にすることは非常に重要です。
そのため、国際貿易における取引条件の国際的な基準としてインコタームズ(Incoterms)が用いられています。

この記事では、インコタームズの概要とインボイスへの記載方法、通関時の処理にどのように関連してくるかなどについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.インコタームズとは
    1. 1.1.EXW(Ex Works):工場渡し
    2. 1.2.FCA(Free Carrier):運送人渡し
    3. 1.3.CPT(Carriage Paid To): 輸送費込み
    4. 1.4.CIP(Carriage and Insurance Paid To):輸送費保険料込み
    5. 1.5.DAP(Delivered at Place):仕向地持込渡し
    6. 1.6.DPU(Delivered at Place Unloaded):荷卸込持込渡し
    7. 1.7.DDP(Delivered Duty Paid):関税込持込渡し
  2. 2.インボイスへのインコタームズの記載
    1. 2.1.①インボイスへの記載方法
    2. 2.2.②通関時の処理
  3. 3.まとめ
  4. 4.海外輸送は『OCS』がおすすめ!


インコタームズとは


インコタームズは、国際貿易における取引条件のルールを統一したものです。
国際商業会議所(ICC)によって定められており、輸出入業者や国際輸送業者に広く利用されています。

ここでは、インコタームズ2020における代表的な7つを紹介します。

EXWEx Works):工場渡し

売主(輸出者)は自社の工場や施設もしくは指定の場所で荷物を買主(輸入者)に引き渡し、費用やリスクは買主(輸入者)がすべて負担します。

FCA(Free Carrier):運送人渡し

売主(輸出者)は指定された地点で荷物を買主(輸入者)が指定した運送業者に引き渡します。引き渡し後の費用やリスクは買主(輸入者)が負担します。輸出通関は売主(輸出者)が負担します。また引き渡し場所が売主(輸出者)の施設内の場合、売主(輸出者)は積み込みの責任を負担しますが、それ以外の場合は売主(輸出者)は積み込みの義務を負いません。

CPT(Carriage Paid To): 輸送費込み

売主(輸出者)は航空機に荷物を積み込み、指定された目的地まで運ぶ費用を負担します。ただし、航空機への積み込み後の損害や紛失については買主(輸入者)が負担します。

CIP(Carriage and Insurance Paid To):輸送費保険料込み

CPTと同様に売主(輸出者)は航空機に荷物を積み込みますが、買主(輸入者)が指定した場所まで運ぶだけでなく、荷物の保険をかける責任も負担します。

DAP(Delivered at Place):仕向地持込渡し

売主(輸出者)は荷物を指定された目的地までの輸送を負担します。荷物の荷卸しおよび輸入手続き、関税・消費税は買主(輸入者)が負担します。

DPU(Delivered at Place Unloaded):荷卸込持込渡し

売主(輸出者)は荷物を指定された目的地で荷卸しするまでの責任を負担します。輸入通関、関税・消費税は買主(輸入者)が負担します。

DDP(Delivered Duty Paid):関税込持込渡し

売主(輸出者)は荷物を指定された目的地まで運び、関税・消費税を含むすべての費用とリスクを負担します。


インボイスへのインコタームズの記載

インボイスとは、売主(輸出者)から買主(輸入者)に対して請求金額や取引詳細を記載した書類です。インボイスにインコタームズを記載することにより、輸出や輸入の際の手続きや通関などの手配がスムーズに進められる利点があります。したがって、インボイスにインコタームズを記載することは、円滑な輸送のために推奨されます。

①インボイスへの記載方法

有償のインボイスには、取引条件の指定としてインコタームズを明記します。
例えば「FOB Tokyo」といった具体的な取引条件を記載します。

②通関時の処理

貿易条件を表すインコタームズは、荷物が引き渡される時点での責任とリスクの分担を示しているため、関税やその他の税金の評価となる申告価格において用いられるインコタームズ(建値)とは異なる概念で用いられることがあります。


まとめ

この記事では、インコタームズの種類を解説しながらその重要性について紹介しました。

国際貿易において、インコタームズは重要な要素です。取引条件の明確化や円滑な輸送を行うために、インコタームズの理解と適切な処理方法を把握しておくことが必要となります。


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