越境ECとは?仕組みやメリット・注意点、始め方を詳しく解説

インターネットを通じて海外の消費者に商品を販売する「越境EC」は、海外市場へ販路を広げる方法として注目されています。近年はECプラットフォームや国際輸送サービスも充実し、企業の規模を問わず海外販売に取り組みやすい環境が整いつつあります。
ただし、越境ECでは、商品の販売だけでなく、国際輸送や通関、関税、決済など、国内ECとは異なる対応も必要になります。
本記事では、越境ECとは何かをわかりやすく解説するとともに、仕組みや市場動向、人気の商品ジャンル、事業者側のメリット・注意点、始め方について紹介します。
越境ECとは?仕組みをわかりやすく解説

越境ECとは、インターネットを通じて国境を越えて商品を売買するEC(電子商取引)のことです。
近年は、海外の商品を購入したり、日本の商品を海外へ販売したりする手段として利用が広がり、消費者・事業者の双方にとって身近な存在となっています。
ここでは、越境ECの基本的な仕組みや国内ECとの違いについて解説します。
1. 越境ECの仕組み
越境ECとは、インターネットを通じて海外の消費者や事業者と商品を売買するEC(電子商取引)のことです。
日本の消費者が海外のECサイトで商品を購入するケースや、日本の企業が海外の消費者へ商品を販売するケースは、いずれも越境ECに該当します。
商品のやり取りは国境を越えて行われるため、国内ECとは異なり、国際輸送や通関などの手続きを経て商品が届けられる点が特徴です。
2. 国内ECとの違い
国内ECとの大きな違いは、商品の売買だけでなく物流や手続きも国際取引になることです。
配送日数や送料に加え、関税や輸出入規制、通関手続きなどを考慮する必要があります。また、事業者が越境ECを運営する場合は、販売先の国・地域ごとの法令や決済方法、言語への対応が必要になるケースもあります。
3. 消費者・事業者の双方が利用
越境ECは、海外の商品を購入したい消費者だけでなく、海外市場へ販路を広げたい事業者にも広く利用されています。
消費者にとっては、日本では購入できない商品や海外限定商品を手軽に購入できることが魅力です。一方、事業者にとっては、実店舗を持たずに海外の消費者へ商品を販売できるため、新たな販路を開拓する手段として注目されています。
近年は、海外向けECプラットフォームの充実や国際輸送サービスの発展により、中小企業でも越境ECに取り組みやすい環境が整っています。
身近な越境ECの例
近年は海外向けECサービスや国際輸送の充実により、個人・事業者ともに利用しやすくなり、越境ECはより身近な存在になっています。
ここでは、代表的な利用例を紹介します。
1. 海外の商品を購入するケース
越境ECの代表例として、海外のECサイトから商品を購入するケースがあげられます。
例えば、SHEIN※1やAliExpress※2では海外のファッション用品や日用品、Qoo10※3では韓国コスメなどを手軽に購入できます。
近年は日本語対応やAI翻訳の普及により海外サイトを利用しやすくなり、送料を含めても安価な商品が増えたことで、以前より気軽に利用できるようになっています。
※1 世界150カ国以上で展開する中国発のファストファッションブランド
※2 中国のアリババグループが世界向けに運営する世界最大級の格安オンライン通販サイト
※3 アメリカのネット通販企業「eBay(イーベイ)」の日本法人eBay Japan合同会社が運営する日本向けの人気の総合ネット通販サイト
2. 日本の商品を海外へ販売するケース
越境ECでは、日本の事業者が海外の消費者から注文を受け、商品を日本から海外へ発送するケースがあります。
販売方法には、自社のECサイトを海外向けに展開する方法や、海外の消費者が利用できるECモールへ出店する方法などがあります。自社の商品やターゲットとする国・地域に合わせて、販売方法を選択することが可能です。
日本に拠点を置いたまま海外の消費者と取引できるため、国内で取り扱っている商品を海外へ展開する手段として活用されています。
越境ECで人気の商品ジャンル

越境ECでは、国や地域によって人気の商品は異なりますが、日本ならではの商品や趣味性の高い商品を中心に需要が高まっています。
近年は、海外から日本の商品を購入したいというニーズが拡大しており、購買代行サービスや海外向けECを通じて、さまざまな商品が取引されています。
ここでは、越境ECで人気のある代表的な商品ジャンルを紹介します。
1. 日本ならではの商品
越境ECでは、抹茶や包丁など、日本ならではの商品が海外で高い人気を集めています。
近年はインバウンド需要の拡大に伴い、日本製品への関心も高まっており、品質や信頼性を評価して購入する海外の消費者が増えています。
日本独自の文化や技術を生かした商品は、越境ECでも大きな強みと言えるでしょう。
2. ホビー・エンターテインメント関連商品
フィギュアやアニメグッズ、トレーディングカード、VTuber関連グッズなど、日本のホビー商品も人気の高いジャンルです。
日本のアニメやゲーム文化は欧米やアジア、中東など幅広い地域へ広がっており、海外では入手しにくい限定商品や人気商品を求めて越境ECを利用するケースも少なくありません。
3. 国内ECの商品を購入する「購買代行」サービス
近年は、日本国内向けECサイトやフリマサービスの商品を海外から購入したいというニーズも増えています。
例えば、メルカリやYahoo!オークション、国内向けECサイトで販売されている商品を、購買代行サービスを通じて海外へ届けるケースが増えています。こうした需要の拡大も、越境EC市場が成長している理由の一つと言えるでしょう。
事業者側が越境ECを始めるメリット
越境ECは、海外市場へ販路を広げられるだけでなく、実店舗を構える場合と比べて海外販売を始めやすい点もメリットです。
ここでは、事業者が越境ECを始める主なメリットを紹介します。
1. 海外市場へ販路を広げられる
越境ECを活用すれば、国内市場だけでなく、世界中の消費者を対象に商品を販売できます。
国内では需要が限られている商品でも、国や地域によっては新たな需要が見込まれる可能性があります。販売対象となる市場を海外へ広げることで、新たな顧客の獲得や売上拡大につながることが期待できます。
また、国内市場だけに依存しない販売体制を構築できることもメリットです。
2. 中小企業でも海外販売を始めやすい
越境ECは、海外に実店舗を出店する場合と比べて、初期投資を抑えて海外販売を始めやすい方法です。
近年は、AmazonやeBay、ShopeeなどのECプラットフォームを活用することで、自社で海外向けECサイトを一から構築しなくても海外の消費者へ商品を販売できるようになっています。
また、国際輸送や決済など越境ECを支援するサービスも充実しており、自社の規模や商品、販売地域に合わせて取り組み方を選択できます。
越境ECを始める前に準備しておきたいこと
越境ECは国内ECとは異なり、販売先の国ごとのルールや国際輸送への対応など、事前に確認すべきことが多くあります。
準備不足のまま始めると、販売できない、商品が届かない、想定外のコストが発生するといったトラブルにつながることも。
そこで、ここでは、越境ECを始める前に押さえておきたいポイントを紹介します。
1. 販売する市場・商品・販売チャネルを決める
越境ECでは、自社の商品がどの国・地域で需要があるのかを事前に調査しなければなりません。
また、自社でECサイトを構築して販売するのか、AmazonやeBay、ShopeeなどのECモールを利用するのかによって、必要な費用や運営方法は異なります。
ターゲット市場や販売方法を明確にしたうえで、自社に合った販売戦略を立てましょう。
2. 販売先の国・地域のルールを確認する
国や地域によって、輸入規制や関税制度、販売できる商品の条件は異なります。
商品によっては輸入が制限されていたり、特別な手続きが必要になったりすることもあるため、販売前に各国の規制や必要書類を確認しておきましょう。
また、商標権や知的財産権についても事前に確認しておくと安心です。
3. 国際輸送や送料・返品対応を準備する
越境ECでは、商品を販売するだけでなく、海外の購入者へ確実に届けるための物流体制も重要です。
送料や配送日数、関税の負担方法、返品対応のルールをあらかじめ決めておくことで、購入者とのトラブルを防ぎやすくなります。
信頼できる国際物流会社を選び、配送品質やサポート体制も含めて検討しておきましょう。
越境ECを支える国際物流の役割
越境ECでは、商品を販売した後、海外の購入者へ確実に届けるための物流体制を整える必要があります。国内配送とは異なり、通関や各国の輸入規制への対応、配送品質の確保なども考慮しなければなりません。
ここでは、越境ECを支える国際物流の役割について解説します。
1. 海外販売を実現する物流基盤を担う
越境ECでは、ECサイトやプラットフォーム上で海外から注文を受けた後、商品を購入者のもとへ届けるまでを国際物流が支えています。
海外への配送には、国内輸送、輸出通関、国際輸送、輸入通関、現地配送など複数の工程があります。さらに、商品の種類や物量、納期、コストなどに応じて、航空便や船便といった輸送手段を使い分ける必要があります。
こうした一連の工程をつなぐ国際物流は、オンライン上で成立した取引を実際の商品流通へとつなげ、越境ECを成り立たせる基盤の一つとなっています。
2. 各国の規制や通関に対応する
国際物流には、商品を運ぶだけでなく、国境を越えるために必要な手続きを行う役割もあります。
越境ECでは、輸出国・輸入国それぞれの法令や規制に沿った対応が求められます。国や地域、商品の種類によっては輸入が禁止・制限されていたり、許可や申請が必要になったりするケースもあるのです。
また、通関ではインボイスなどの書類を用意し、品名や数量、価格などを正確に申告しなければなりません。書類の不備や申告内容の誤りがあると、通関に時間がかかり、配送が遅れる原因になります。
関税や輸入時の税金についても確認が必要です。売り手と買い手のどちらが負担するのかをあらかじめ明確にしておくことで、受取時の想定外の請求や受取拒否などのトラブルを防ぎやすくなります。
販売先の規制や通関手続きに適切に対応し、商品を滞りなく国境の先へ送り出すことも、国際物流が担う役割の一つです。
3. 配送品質を確保して顧客満足度を支える
国際物流は、商品を届けるだけでなく、購入者が安心して受け取れる配送環境を整える役割も担っています。
越境ECは国内ECと比べて輸送距離が長く、複数の物流拠点を経由する場合もあります。商品の特性に応じた梱包を行うほか、高額商品では輸送保険を利用するなど、輸送中の破損や紛失に備える方法も検討しておきましょう。
また、海外から商品を購入する消費者にとって、「いつ届くのか」「現在どこまで運ばれているのか」を確認できることは安心感につながります。追跡サービスなどを活用して輸送状況を確認できる環境を整えると、購入後の不安も軽減できるでしょう。
輸送スピードや商品の状態、輸送状況の確認しやすさなどを含めた物流品質は、購入者の満足度を左右し、リピート購入やショップ・ブランドへの信頼にも影響するのです。
越境ECの国際輸送なら『OCS』がおすすめ!

越境ECでは、海外への商品発送だけでなく、通関や各国の輸入規制への対応、配送コストやリードタイムを考慮した物流体制の構築など、さまざまな対応が必要です。
OCSでは、ANAグループとOCSのネットワークを活用し、越境EC事業者の国際物流をサポート。海外向けの発送だけでなく、海外から日本の購入者へ商品を届ける輸入BtoCにも対応しており、事業内容や販売先に応じた物流サービスを利用できます。
1. 越境EC向けの国際配送に対応
海外の購入者へ商品を届ける越境ECでは、配送コストやリードタイムが購入時の選択にも影響します。
OCSでは、越境EC向けの国際輸送サービスを提供しており、販売する商品や配送先などに応じた輸送方法を検討できます。また、海外へ商品を発送する際には、各国の輸入規制などについて相談できることも特徴です。
輸送方法の選択肢を増やすことで、EC事業者だけでなく、購入者にとっても送料や配送条件に応じた方法を選びやすくなります。
2. 海外から日本へのBtoC輸入にも対応
越境ECは、日本から海外へ商品を販売するケースだけではありません。海外のECサイトや事業者から日本国内の消費者へ商品を届ける、輸入BtoCの物流もあります。
OCSでは海外から日本への輸入にも対応しているため、事業の形態に合わせて国際物流について相談できます。
3. Amazon FBA倉庫への輸送にも対応
Amazonを利用して海外販売を行う事業者にとっては、商品をFBA倉庫へどのように納品するかも検討が必要です。OCSでは、Amazon FBA倉庫宛の輸送にも対応しています。
OCSでは、海外への発送はもちろん、海外から日本への輸入や各国の輸入規制に関するご相談など、越境ECにおける国際物流を幅広くサポートしています。
越境ECの物流体制を整えたい方や、海外への輸送方法でお悩みの方は、ぜひOCSへお問い合わせください。
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